忘れ物にご注意!

1993年8月8日〜15日

 忘れ物と言えば誰にでも「あの時あんな物を忘れてね…」なんて話の一つや二つはあるものです。そしてその大部分は、少々の不便を我慢すれば済むといった程度のものではないでしょうか。
 「忘れ物」「なくし物」の多い私にとって、某氏はまさに神様。実に自己管理の行き届いた「完璧な人」と常日頃、尊敬してまいりました。このたびも某氏とご一緒ということで、へたなものを忘れると、またいつもの毒舌で何を言われるか分からないと、緊張してザックの中身を何度も調べたものです。(それでもやはり忘れ物は在りましたが…)
 ところが、某氏もやはり人の子。たまには忘れ物もするのです。それも、と〜んでもない物を。

 恵那のサービスエリアを出た所で「携帯用灰皿を忘れた」と第一声。珍しいこともあるものです。(忘れたら吸わなければいいじゃない)とはもちろん心の声。こんなことを言ったら後がコワイですから…。一応、口では「途中で手に入るといいね」などと当たり障りのない事を話しているうちにも車は順調に進み、もうすぐ伊那インターというところで第二声。

  「あっ、靴忘れたかもしれない!」

 冗談でしょ。とても本気には受け止められません。それでもまあ、一応調べてみたらということになり、近くのパーキングに車を止めてみました。
 しかし、私の予想ははずれ、車のどこにも登山靴は見当たりません。家に連絡してみると、靴は“玄関”にきちんと揃えて置いてあるとのこと。「どうしよう…」(どうしようって、靴がなければ山登りなんて出来ないでしょうが。)←これももちろん心の声。
 ということで伊那でUターンしてみたのですが、考えてみれば時間とお金と労力のロスは大きく、結局は松本で買おうということになり、またまたUターン。
 日程は大きく狂い、翌日は、午前は松本でのショッピング。午後は河童橋付近の河原に腰を下ろし、新品の靴にクリームを塗るという、何とものんびりとした一日となったわけです。

 余談ですが、今回、Ngさんが初めて登山に挑戦されました。そのNgさんが皮の軽登山靴を買ったと知り、新品での初登山とは“無謀”と、いたく心を痛めておられた某氏が購入されたのは、春・秋に履けるバリバリの重登山靴でありました。


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