奇岩・高岩

1996年1月13日〜14日

 あなたは、あの「高岩」をご存知だろうか。
 何? ご存じない? エーッ!
 と言っても、当然と言えば当然。実は私も偶然出会い、後からその名を知った岩山なのだ。知名度が低い山でもあるので、まずはその山の所在地からご説明しよう。

●場所

 もしお手元に長野・群馬方面のロードマップがあればご用意いただきたい。
 長野オリンピックに向けて着々と伸びて行く上信越自動車道。下仁田辺りから周囲には珍岩(?)奇岩が続々と現れてくる。最もポピュラーなのが妙義山。日本の山のイメージとはかけ離れた「大陸的な景観」だ。気を取られていると事故のもと。用心しつつ車を進め、碓氷・軽井沢インターで高速を下りると、目の前におもしろい山がそそり立っている。下りずに通過する場合でも、さっと後ろを振り返ればOK!(もちろん、そんなことは同乗者にしかできないが…。) 碓氷・軽井沢IC付近の拡大ページを開けると、インターのすぐ近くに「高岩」という山が見つかるはず。
 と、これは東京方面から訪れる場合であり、小諸・佐久方面からの場合は下手な説明は不要だろう。インター直前のトンネルを抜けた途端、高岩が眼前にバーンと現れて、思わず声をあげてしまう。

●景観

 「高岩」は大陸的と言うより、西部劇にでもでてきそうな山だ。山の向うには荒涼とした大地が広がり、夕焼けを背にしてガンマンが佇んでいるというような…。(ジュリアーノ・ジェンマなんか似合いそうだ。えっ、ご存じない?うーん、それなら「未知との遭遇」の撮影地と言えばイメージが湧くだろうか?)
 ただしこの西部劇のイメージを受けるのは南側から見上げた時で、他の方角から眺めると、ずんぐりとした姿にがっかりしてしまう。

●撮影ポイント・時期

 この高岩を撮影するには、高速道路を碓氷・軽井沢ICで降り、「峠の釜飯」で有名な横川へと抜けるローカルな道に入る。地図を眺めただけで気分が悪くなりそうな、奈落の底へと続きそうなぐねぐね道だ。(注:国道18号とお間違えのないように)
 撮影ポイントは二か所。ぐるぐるの日周運動をご希望なら、ぐねぐね道に入ってすぐ、左側に広がる空き地がお勧めだ。眼前にバーンとそびえる高岩の上に北極星が輝いているのを見ると、撮影意欲は一気に高まる。かなり山が近いので、レンズは広角を用意した方がよい。また、周囲が草に覆われているので、背の高い三脚の方が撮る位置を自由に決められる。しかし、一つ問題がある。それは、近くの民家で飼っている犬だ。忠誠心が強いのか、あれだけ吠えてよくぞ喉が潰れないなと感心するほど、吠えまくる。事前にジャーキーなど賄賂を贈り、「お友達」になるなどの対策が必要かもしれない。
 もう一か所は、ぐねぐね道を下りたところにある最初の集落だ。北極星は山からずいぶん東の方にずれるが、山の形がよく、ここもなかなか捨てがたい。道路上で撮影していても車がほとんど通らず、けっこう長時間撮影ができる。ただし、ここにも問題はある。電線が至る所に張り巡らしてあり、構図を決めるのがなかなか難しい。(ここだ! と思った所には必ずと言っていいほど、電線が横切っている。)
 どちらのポイントで撮影するにしても、上弦の月の方が山の立体感が出てよいようだ。また、星の位置の善し悪しを考えると、12月・1月あたりの上弦の月が西に沈む頃がベストである。

 この高岩に今年二度ほど挑戦してみたが、納得のいく写真は撮れなかった。「ちょっと行ってくる」というには遠すぎるが、今年の暮れにはなんとかもう一度挑戦したいものである。
 ねえ、どなたかご一緒しませんか?


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