写真人(しゃしんびと)見参

1993年9月25日、26日

 星の写真と言うと、今までは山へ行くことが多かったのは、会員の皆さんの作品に憧れて、どうしても自分でも撮ってみたいと思ったからだった。ところが市街地での作品を見ているうちに、やっぱりこれも撮ってみたいと思うようになってしまった。ということで、名港付近に出掛けていくことにした。(しかし、すぐ人の影響を受け、しかも山の次は海とは、自分でも何と単純なヤツと思えてしまう。)

 9月25日土曜日、天候は快晴。とりあえず名港西大橋に向かう。名古屋港は確か小学生の頃に行ったのが最後で、それから20年近くが経っていた(ナント年をとってしまったのだろうか)。そんな状況だから、金城埠頭があんな南端にあるとは認識していなかった。
 一口に名港西大橋と言っても、この巨大なモチーフをどうやってカメラに収めようか迷ってしまう。今回は名古屋市側から撮影することにしたが、隣接するコンテナ埠頭のライトの明かりが物凄い勢いで夜空を照らしている。又ここは、釣り場としてもメッカのようで立ち入り禁止区域の筈なのに、人が岸壁にぎっしりで、フェンスを超えてコンテナ埠頭へ入っている人達もいたぐらいだ。新参者としては遠慮がちに三脚をたて、1時間位で退散することにした。
 月も南中しようとする頃、ポートビルに移動した。当日、砕氷艦「しらせ」が停泊しており、その大きさは、ビルが浮いているといえる程。「ふじ」が小さく感じられる。とても全景は写せそうにないので、ポートビルをモチーフとする。ここは一人者が写真を撮っているには向かない場所なので30分位で切り上げた。

 翌26日も名港西大橋へ出掛けた。夕日を見るために前日より早く到着した。36枚撮り2本全部を使い夕日と夕暮れをカメラに収めて帰路につく。日曜日はコンテナ埠頭が休日らしく、前日のような光害は消えていた。

 今回の撮影では、市街地の明るすぎる空と星を一緒に写すのは困難なことが改めて実感できた。また月となると、逆に月が明るすぎて、日没直前の地上が明るいうちに撮ってしまわないと露出オーバーの白くて丸いシミになっしまうこともわかった。たまたま、夕暮れの名港西大橋のカットが「名古屋市環境フォトコンテスト」で入賞したことが収穫とはなった。
 ところで、町中で夜、男が一人で写真を撮るのは、とかく覚悟?がいるものである。


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