concept

●星のある風景 〜the landscape of starry night〜

 私たちがテーマとしている『星のある風景』を定義付けるならば、『星空(あるいは月)を画面に取り入れた風景写真』ということになります。
 光が相剋関係にある「地上」と「星空」を、合成などのテクニックを使わずに一画面で融合させるというのは、そもそも無理なことかも知れません。また、主体を絞り込むのが定石とされる風景写真で、二兎を追うことにもなりそうです。しかし、なんとか星空を見上げたときのあの情景を記憶にとどめたいという願いから、私たちはあえて二兎を追い続けています。
 かつて、当会の前身である「B(バルブ)の会」の時代には、地上の風景をストロボや車のライトで照明したり、いろいろなフィルターを試したり、多重露出や人物を入れた演出写真を試みたりと、さまざまな試行錯誤をしてきました。(ごく一部ですが、常設展示室にあります)
 しかし、そういった写真はやはり不自然に感じられるものが多く、1989年の写真展のころを転換期として、以降は、地上の照明としては月明かりを主体とし、人工的な細工をしないワンショットの撮影を心がけています。

●「風景写真」と「星景写真」 〜landscape and starryscape〜

 『星のある風景』は「風景写真」の一分野だろうと考えていますが、風景写真家の間ではあまり撮られていないようで、写真解説書や写真専門誌の解説記事などで紹介されることはほとんどありません。たまに見かけても、「星の軌跡は長く引かせるべし」などといった、写真を画一化、固定観念化させてしまうような記述があったりします。しかし、近年はフォトコンテスト入選作などで目にすることも多くなり、この分野の写真を撮る人が少しづつ増えていることが伺えます。
 また、天文雑誌では古くから「固定撮影」というジャンルがあって、長い間、「天体写真」の入門分野として位置づけられてきました。そのためか、かつては「電線」「アンテナ」「雲」が固定撮影の三悪と言われるなど、とても「風景写真」にまで昇華していけるような環境にはありませんでした。それでも、少数派ながら、この分野の写真を精力的に撮る人も現れ、いまでは「星景写真」と呼ばれる新しいジャンルが確立しています。
 この「星景写真」は、「構図に星空を大きく取り入れるべきだ」といった天文雑誌ゆえの特質があるため、私たちのめざしている『星のある風景』とは微妙なスタンスの違いがあるようにも思われますが、ほとんど同じコンセプトです。2005年には全国の星景写真家有志11名によって「日本星景写真協会」が設立され、当会からも3名の会員が参画しています。また、当会がその事務局を引き受けています。  [日本星景写真協会

●風景写真の一分野としての「星のある風景」をめざして

 私たちは、あくまでも「風景写真」をめざしています。いつか『星のある風景』がその一分野として確立することを期待しています。これまで、あまり作品を発表してきませんでしたが、このウェブ写真館の公開を機に、今後はいろいろなかたちで積極的に発表を試みていこうと考えています。『星のある風景』というジャンルの確立に、わずかでも寄与できれば幸いです。


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