アンナプルナサウス
- SHINO.K -
ネパール、アンナプルナ山岳地帯。
車道を離れ、谷に沿って延びる山道を歩くこと3日。8000メートル峰が間近に迫る村、ガンドルンにやってきた。
冬に備え、遥か南のインドへ向かう馬や羊の隊商。急峻な山肌を覆い尽くす広大な段々畑。裸足で石畳を駆けていく子供達。軒先でこぼれた穀物をついばむ鶏。
山道に点在する集落には、おそらく100年前200年前から変わらぬ生活の姿がある。
そして夜。
月明かりに照らされ、白銀に輝くヒマラヤが闇の中に浮かび上がる。
アンナプルナサウス7219m、ヒムチュリ6441m。
村を見下ろす山々は、宇宙さえも従えるかのように、悠然と君臨している。
思わず神の姿を重ねずにはいられないような猛々しいその姿に、信仰を持たぬ自分でさえ、その一瞬は、祈るような気持ちでシャッターを押していた。

ネパール
アンナプルナ山岳地区ガンドルン
1999,12,1 04:00〜04:33 露出33分
Pentax6*7 55mmF3.5→4
E100VS(+1増感)

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